Kureha

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グリザイア:ファントムトリガー Vol. 5 感想

ロシアンニンジャことムラサキ担当回。

新キャラクターはムラサキの姉、ユーキ。

メインテーマはムラサキのカインコンプレックス。

 

前回負傷したクリスが退院して美浜学園に戻ってくるところからスタート。

グリアイアシリーズ恒例の軽妙な日常トークは相変わらず。

ミニタリー系に詳しい人ならニヤリとさせられる場面もいくつか。

シューティングレンジ内の会話もそうですが、グミとトーカの軍隊式の掛け合いは面白いですね。

 

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グミちゃん可愛い…

 

また、序盤にあるトーカの行動心理のキャラクタライズは的を得ているかなと。

 

優しい人は、寂しがりやであります…

寂しがりやは、他人とのつながりをとても大切にするであります…

大切にするからこそ、簡単に他人を信用しないであります…

疑って疑って、時にはわざと嫌われてみたりして、そんな風に何度も何度も相手を試して、こんな面倒クサイ私でもいいの?って、何度も試して…

それでもいい、そんなキミがいいって人だけ、仲良くなるのでありますよね?

彼女は人に嫌われるのを嫌う。だからこそ『この一線を超えると嫌われる』という明確な線引きを欲しがり、わざと人を怒らせてみたりもする。

『その程度で壊れてしまうならそれまでのこと』とは彼女の言い分だが、なんとも不器用なことだ。

 

こうやってキャラクターのパーソナリティを第三者視点からキャラクタライズするのは、大なり小なりキャラクターに共感したり、理解が深まったりするのでいいですね。

 

ムラサキの姉であるユーキはカテゴリー的にはおふざけ巨乳お姉さん。頼れるお姉さんっていうキャラクターはクリスと被るので、おふざけつつ、掴みどころのないキャラクターとして設定された印象を受けます。

 ハルトとの最初の掛け合いで、性格を変えすぎて元の性格が分からなくなっているっていう話が個人的にツボです。

ハルトが一番好きだった性格を聞くところとかナンカイイがあります。

 

シューティングレンジでのAK談話とかは完全に作者の趣味が出ていますね。マグポーチの巨乳談話も良かった。

 

 

閑話休題

スパイの面目躍如って感じで、美浜学園に馴染んでいくユーキを尻目に、姉と自分を比較して、存在意義を徐々に失っていくムラサキ。

そんな中で、ムラサキの過去編が語られます。

 

ムラサキの人間性、人格自体を否定せず、ムラサキにあった生き方を探せというハルトの言葉は閉鎖的な空間で、考えが凝り固まったムラサキの胸を打つ。

ここらへんの説教パートはシリーズでお馴染みですね。

他にも姉妹の過去話で両者の性格の形成過程がなんとなく垣間見れます。

姉が手に入れたものが欲しくなるっていうのは、自分も姉がいるのですごく分かります。

 

その後、破門された人が来て、村人を皆殺し。ムラサキが持つ秘伝の技が明らかになり、終了。

能力的なことをいえば、兄弟ってものは不思議とバランスが取れるようになっているなとー私は思っているのですが、この姉妹では才能と素養っていう形でバランスを取っています。

この技の素養という部分が、才能で劣る姉との対比で肥大化し、ムラサキの中で大きなアイデンティティになっていのかなと。

ニンジャへの拘りや道具として自分の価値を示そうとするのも、根本にこれがあるからだと思われます。

 

回想でハルトが語る、誰かの役に立つなら、命を大事にして、自分にできることをその範囲で精一杯やり、大切にしてくれる人の元に戻って来いという話はシリーズの根幹ですね。

ことあるごとに、美浜学園の生徒がいつ死んでもおかしくないと匂わせていますが、ここがある限りキャラクターがいたずらに死んだりしない作品なのかなと思っています。

個人的には殺人者は幸せになれないストーリーが好みなんですがね。

 

 

最後のハルトとユーキの会話の

ハルト「…オマエのことは好きだけど、俺は…」

ユーキ「待って、いわないで!やっぱ聞きたくない!」

っていうところはBGMの影響もあってWA2を思い出しました。

こういういじらしい一面を最後に出すのは上手いですね。

 

最後の姉妹の繋がりの話。

離れていても姉妹の間では切れない確かな繋がりに思いを馳せてEDへ。

 

 

 

個人的には、過去編は手抜きかなと。

いきなり能力ものになってしまうと、せっかくリアル寄りの部分があるのに、だいぶ白けますね。

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掛け合いやキャラは好きなのですが、続き物という性質上、この先採算が取れるのかと心配な出来になってきている気がします。

折角英語対応してるのだからPatreonとかで資金集めて自由に作ってくれればと思います。